FXだけではなく、投資をするには必ず「トレンド相場」の把握が必要です。
どんなプロのトレーダーでも、トレンド相場に逆らって利益を出すことは絶対に不可能です。
今回は、FXで勝つためには避けて通れない「トレンド相場」について、その基本と、トレンドを予測する際に使える「チャートパターン」の紹介をします。
目次
FXのトレンドについて復習しよう!
トレンド相場について、最初に皆さんが知っているであろう基本的な事について復習をしていきましょう。
まず、トレンドには「上昇トレンド」と「下降トレンド」と「レンジトレンド」の3種類しかありません。
「上昇トレンド」「下降トレンド」は、文字通りです。ドル円を例に言うなら、上昇トレンドなら「円安へと推移している」、下降トレンドなら「円高へと推移している」ということになります。
「レンジトレンド」は、いわゆる「持ち合い」のことを指します。円安・円高どちらか一方向に価格が推移するのではなく、どっちつかずな値動きしかしていない状態のことを指します。
トレンドの見つけ方
現在のトレンドを把握するには、チャート上にトレンドラインを引く必要があります。
トレンドラインを引く方法は大きく分けて2つあります。1つは「自分の手で引く方法」、もう一つは「テクニカルチャートやインジケーターに引いてもらう方法」です。それぞれの方法を紹介したいと思います。
今から紹介する方法は、すぐに実践できるトレンド把握の方法となります。できれば普段使っているチャートを開いてから読み進めてみてください。
トレンドラインを自分で引く-上昇トレンド・下降トレンドそれぞれの引き方-
トレンドラインを手動で引く方法を簡単に紹介します。ここでは、2本のラインを引いてトレンドを把握する方法を解説します。
前準備として、トレンドを確認したい期間のローソク足を開きます。
まずは、ローソク足の左端の最安値から、右端の最安値にかけてトレンドラインを引きます。
次に、ローソク足の左端の最高値から、右端の最高値にかけてトレンドラインを引きましょう。
これでトレンドラインを引き作業は以上です。
次に、実際に引いたトレンドラインを見てみましょう。
2本のトレンドラインが、右上を向いている場合は相場は「上昇トレンド」だと判断できます。
もしくは、2本のトレンドラインが左上を向いている場合は相場は「下降トレンド」だと判断できます。
また、2本のトレンドラインが別々の方向を向いている場合は、相場は「レンジ相場」だと判断できます。
トレンドラインを引くことにより、チャートパターンを見つけることができるようになります。
チャートパターンをマスターすると今後トレンドがどの方向に進むか予測することができますが、このことについては後で詳しく紹介します。
「200日移動平均線」「ZIGZAG」などのインジケーターを使う
次に、テクニカルチャートを使ってトレンドを判断する裏技について紹介します。
1つ目の方法は「200日移動平均線」を使う方法です。
200日移動平均線は「200本のローソク足の平均値を示したライン」を意味します。そのため、200日移動平均線を引くことにより、200日間の値動きによって形成されたトレンドを見ることができます。
次に、MT4で使えるインジケーター「ZigZag」を使った方法です。
「ZigZag」は、表示されているローソク足チャートのレートの高値と安値とをラインで結んだテクニカルツールです。
画像を見てもらえばわかる通り、チャート上にジグザグを描くように描画がされます。
ZigZagを使うことにより、短期的なトレンドについて把握することができます。
トレンド相場を「予測」するメリット
ここまでは、現在発生しているトレンドが、どのような方向を向いているか把握する方法を紹介しました。
もちろん、現在のトレンドを把握できるだけでも十分にトレードに生かすことはできます。
しかし、これだけでは真に「トレンド相場を理解した」とは言えません。
「トレンド相場」を理解するというのは、「今のトレンドが上昇か、下降か、レンジか」を把握するだけではなく、「これからトレンドが発生するのか、終わるのか、継続するのか」を予測することが重要となります。
では、トレンド相場の予測をするメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
トレンド発生時に「順張り」をすれば大きな利益が得られる!
トレンドを把握するだけでも、そのトレンド方向に注文を入れる「順張りトレード」をすることは可能ではあります。
しかし、より大きな利益を狙いたいのなら、トレンドが実際に発生する前に「これからトレンドが発生する」ということをあらかじめ把握しておく必要があります。
また、トレンドの発生は逆に言えばトレンドの終わりを意味します。例えば、「上昇トレンドの始まり=下降トレンドの終わり」でもあるわけです。
これはつまり、トレンドの発生(終わり)の予兆を把握することにより、トレンド転換による大きな損失を招くエントリーを阻止することができるようになるのです。
まとめると、トレンド相場を予測することにより、大きな利益を得られるエントリーができるだけではなく、大きな損失を招くエントリー阻止することもできるようになるのですね。
トレンド終了前に利益確定をすれば利益を確保できる!
言うまでもありませんが、順張りトレードにおいて、最もベストな利益確定タイミングは「トレンドの終わり」です。
トレンドの終わりを予測することで、トレンドが終わりそうなタイミングで利益確定をすることにより、そのトレンドで得られる最大限の利益を得られるようになります。
エントリー以上に難しいのが、利益確定決済のタイミングです。
初心者の頃は「何pipsの利益が出たら利益確定する」という方針でも良いですが、中級者程度になると、pipsで利益確定を判断するのはあまりおすすめできません。
というのは、「何pipsで利益確定」と判断してしまうと、どうしても利益の金額に上限が出てきてしまうからです。トレンドの真っただ中でも「30pipsまで上がったから利益確定しなきゃ」となると、最大限の利益を得られたとは言えません。
チャートパターンでトレンドを予測する方法
将来のトレンド相場を理解して予測することにより、FXトレードで大きな利益を得られることが分かりました。
それでは、ここからは実際にどのようにして未来のトレンドを予測するのか、その方法について紹介します。
上昇トレンド・下降トレンドの2パターンに共通するのは、どのトレンドも「3つの局面」しかないということです。
3つの局面とは、「トレンドの発生」「トレンドの継続」「トレンドの終わり」です。
今後、3つの局面の内どの局面が訪れるのかを予測するのに有効なのが「チャートパターン」です。
ここからは、トレンドの3つの局面を予測するチャートパターンについて、それぞれ紹介したいと思います。
チャートパターンについては詳しく説明している記事が別にありますので、ここでは代表的なものを3つ紹介します。
「トレンドの発生・終わり」を示すチャートパターン
いわゆる「反転」を示すチャートパターンです。
上昇トレンドの終わり(下降トレンドの始まり)を示すチャートパターンには、代表的なものとして「ヘッド&ショルダー」「ダブルトップ」があります。
「ヘッド&ショルダー」は、チャートの形がちょうど漢字の「山」のようになっているチャートパターンです。
右肩にあたる部分が頭にあたる最高値を更新しないことにより、市場心理に恐怖感が湧き、その後トレンド転換が起こりやすいという仕組みになっています。
「ダブルトップ」は、上昇相場中の上げで高値を更新しないものが2つ以上水平上に並んだ状態を指します。
この場合も、ヘッド&ショルダーと同様に「高値を更新しなかった」という事実が市場に不安感を招き、その後は下降トレンドへとトレンド転換を起こす場合が多いです。
また、下降トレンドの終わり(上昇トレンドの始まり)のチャートパターンとして、ヘッド&ショルダーの逆バージョン「インバースヘッド&ショルダー」と、ダブルトップの逆バージョンとなる「ダブルボトム」があります。
「トレンドの継続」を示すチャートパターン
トレンド今後継続する際に現れるチャートパターンとして、代表的なものは「三角持ち合い」です。
三角持ち合いは、文字通り「三角形を描きつつチャートが進行する」というパターンです。
上昇トレンドの場合、「安値を切り上げながら、高値を更新せずにチャートを描く」というパターンが現れると、その後上昇トレンドが継続する可能性が高くなります。
下降トレンドの場合はその逆で、「高値を切り下げながら、安値を更新せずにチャートを描く」というパターンのケースだと、その後下降トレンドが継続する可能性が高くなります。
トレンド方向にポジションを保有している際に今回紹介した三角持ち合いが現れたら、建玉を決済せずに様子見することをおすすめします。
まとめ
今回はトレンド相場の基本と、トレンドの発生と継続を予測する方法について紹介をしましたがいかがでしょうか。
トレンドを理解したり予測することは、FXで利益を得るためには絶対に欠かせません。
初心者の方は、「今のトレンドの方向」を把握する癖からつけていきましょう。中級者の方は、チャートパターンをさらに勉強して「今後のトレンドの方向」についても予測するように努めましょう。